今回はGrand Wallエリア紹介の第2回目です。Grand Wallエリアの中でも中間に位置するエリアの、私が主観で選んだ主な課題を解説していきます。
THE OCTAGON
THE OCTAGONエリアはBLACK DYKEエリアのすぐ北側にあり、GRAND WALL TRAILの入口の近くにあります。なんといってもここの主役は巨大なTHE OCTAGONです。もはやボルダーとは呼べないくらいのスケールで鎮座しています。
Rocket Man(V8)やThe Hoop Wrangler(V5)、The Rookie(V8)、Be on Four(V7)などトポでも四つ星以上の課題がたくさんありますが、どれももちろんハイボールです。トライする際は、ランディングには細心の注意を払ってください。
SUPERFLY
SUPERFLYエリアはGrand Wallエリアの中でも有名な課題があり、特に注目すべきエリアです。
アプローチは砂利道からGRAND WALL TRAILを入ったすぐのところにあり、下地もいいので人気のエリアです。まず目につくのはきれいなスラブと被った面を持ったSUPERFLYボルダーです。
強傾斜のラインをランジをしながらダイナミックに登るSuperfly(V4)は、スコーミッシュのなかでもクラシックな課題です。いつ行っても誰かが登っています。
その左側のきれいなカンテはBaba Hali Dass(V7)で、ストレニュアスな課題です。
さらに左に回り込むと、スコーミッシュのボルダーのシンボルとも言っていい、The Egg(V11)があります。
丸みを帯びた岩の甘いホールドを抱えながら上がっていく美しいラインです。いつかは登りたい一本です。
また、隣にある巨大なRAT ROCKボルダーにも多くの課題があります。代表的なものではSharma’s Arete(V8)やDriveshaft(V8)、The Bulb(V8)など三ツ星以上の課題が11本もあります。
The Seam(V10)は薄いカチからのランジを決める指力が試される課題です。
LIP-SMACK
THE OCTAGONの上方、GRAND WALL TRAILを上がっていったところにLIP-SMACKエリアがあります。岩が積み重なっているので、課題にたどり着くのは一苦労です。
このエリアでもっとも印象的なのはBlack Slabbath(V7)でしょう。圧倒的な高さにまっすぐに切り落とされたかのような表面。そこにちりばめられた結晶を探りながら登っていくスラブの完成形のような課題です。
他にも足技が面白いCrockhead(V3)やPaperboy(V2)、Lip-smack Traverse(V4)、カンテのきれいなクラシックなラインSquamish Special(V4)といった課題から、Velcro(V10)、Dead End(V11)などの高難度課題まで、多くの面白い課題があります。
MANTEL MADNESS
SUPERFLYエリアの上部、LIP-SMACKエリアと超巨大なCadodemon Boulderに挟まれたエリアがMANTEL MADNESSエリアです。ここには100以上の課題があり、まったく飽きることはないでしょう。
まずこのエリアでおすすめするのは、エリア名の由来であるMantel Madness(V4)です。
スローピーなリップを回り込むこの課題は、足も悪くテクニカルで繊細な一本です。
同じ岩にはMental Mantel(V4)やEl Camino(V8)といった課題もあります。
MANTEL MADNESSボルダーの隣には高難度課題が多く集まっており、Autobody(V8)やその派生のCave Men(V11)、Fixin’ the Truck(V12)や、The Great Escape(V10)などがあります。
Loose Change(V7)は上部にルーフがある特徴的な課題です。ダイナミックなムーブから高さのあるマントルまでいろんなムーブが凝縮されています。
また、このエリアにはスコーミッシュ最難課題の一つである、The Singurality(V14)があります。
その他にも、The Weasel(V8)、ATD(V7)、Encore une Fois(V11)といったおすすめの課題があります。
UNDERTOW
UNDERTOWエリアは、LIP-SMACKエリアとThe Cheifの間に位置し、GRAND WALL TRAIL沿いに岩が点在しています。
やはりこのエリアで目を引くのはUndertow(V7)です。
ブロック状のスタートから遠いリップをガストン気味に止めに行くのですが、このリップが非常に甘く一筋縄ではいきません。短いですが登りごたえのある課題です。
The CheifのふもとにあるPANCAKE BREADFASTボルダーは、ボルダーと言えないくらいのスケールの岩です。Pancake Breakfast(V7)やThe Snail(V7)といったハイボールがあります。
PALM MEATボルダーにはV0からV8までのグレードがあり、高さがあるものの様々なクライマーが楽しむことができます。なかでもPalm Meat(V6)はこの岩の真ん中を上がっている課題でおすすめです。
EASY CHAIR
EASY CHAIRエリアはSUPEFLYエリアの隣で、砂利のトレイルからすぐのところにあります。アプローチが楽で、グレードの低い課題も多く、ここでアップをして目的のエリアに向かうのにいいです。
このエリアで最初に目に飛び込んでくるのはEasy in an Easy Chair(V4)です。スコーミッシュで最も人気の課題と言ってよく、フリクションを使ってリップをトラバースしていくラインは、まさに花崗岩クライミングといったところでしょうか。
Superdyke(V3)はトポのTOP100課題にリストされるだけあって、楽しい垂壁課題です。同じ岩にはBail Song(V6)やDyke Surfer(V0)などのおすすめ課題もあります。
The Pool(V13)はすっきりとした岩の中央を上がっていく課題です。
他にもSlave to the Pushers(V5)、The Green Traverse(V6)、Practical Horseman(V4)、Swank Stretch(V5)などのおすすめ課題があります。
以上Grand Wallエリアの真ん中に位置する6か所のエリアを紹介してきました。スコーミッシュのシンボル的な課題から人気課題まで、課題数も多くとても楽しめるエリアばかりです。ぜひクライミングを楽しんでください。
参考元
「SQUAMISH BOULDERING」Quickdrawpublications.com
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