今回はローテータカフの一部である棘下筋を鍛えるトレーニングとして、エクスターナルローテーションの動作や効果について紹介します。
ローテーターカフは回旋筋腱板とも呼ばれ、肩甲骨を動かす動作に関与しており、肩関節の安定した動作にとって重要な筋肉です。
その中でもエクスターナルローテーションは棘下筋を鍛えるために効果的なトレーニングですので、ぜひ本記事を参考にしてください。
エクスターナルローテーションの動作
エクスターナルローテーションは上腕を体側につけたまま、前腕を開いて行くような動作です。漫才のつっこみが手の甲でぼけの人を叩くような動作というとわかりやすいでしょうか。
ベンチに寝転んでダンベルで行ったり、ケーブルマシーンを用いて実施したりさまざまな方法があります。
エクスターナルローテーションは棘下筋をピンポイントに鍛えることができるトレーニングで、肩関節の動作のみの単関節運動です。
エクスターナルローテーションで使われる筋肉
ローテーターカフ(回旋筋腱板)は以下の4つの筋肉から構成されます。
- 肩甲下筋
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
これらの筋肉は、肩甲骨と上腕骨をさまざまな形で繋ぐことで、肩関節の複雑な動作を可能にするとともに、肩関節が安定することに貢献します。
棘下筋
この記事で紹介するエクスターナルローテーションで鍛えられ筋肉は、ローテーターカフのうち棘下筋(きょくかきん)です。
棘下筋は肩甲骨と上腕骨をつなぐ単関節筋で、ローテーターカフの中で唯一表面からその形状を見ることができます。
棘下筋が発達してくると、肩甲骨周辺の凹凸が明確になってきていわゆる「鬼の目」が見えてきます。
棘下筋には肩関節の外旋、水平伸展といった働きがあります。
肩関節の外旋は上腕を軸として腕を後ろに回していく動作で、カーテンを開ける時のような動きで使用します。
肩関節の水平伸展は地面と水平な面で腕を横から後ろに回していく動作です。
エクスターナルローテーションの行い方
ダンベルを用いたエクスターナルローテーションの実施方法を説明します。右手で実施する場合を紹介します。
まずはベンチに寝転んで体の左側を下にします。
右手にダンベルを持ち、肘を90度にした状態でダンベルを体の前に持ってきて、ダンベルを下に降ろします。
そこから肘を中心にして前腕を回転させ、ダンベルを持ち上げます。このとき体を動かして反動を使わないように、できるだけ腕の回転だけでダンベルを持ちあげることを意識すると、棘下筋のみを鍛えることができます。
ダンベルを上げる時は垂直まで上げると負荷が抜けたり、無理な角度になるので肩や肩甲骨を痛めることになるので、45度から60度くらいの角度でいいでしょう。
エクスターナルローテーションの応用
エクスターナルローテーションを実施する方法としては、ダンベル以外にもケーブルマシーンを使った方法もあります。
ベンチを使った場合はダンベルが真下や真上といった垂直になった時に、重力の関係上負荷が抜けてしまいます。
それに対してケーブルマシーンを使った場合、常に負荷がかかるので可動域の多くの場面で筋肉にテンションをかけることができます。
したがって、ケーブルを使うことでより効果的に棘下筋を鍛えることができます。
以上エクスターナルローテーションで鍛えられる筋肉とトレーニングの実施方法について紹介しました。
解剖学的に筋肉や動作を意識することで、トレーニングの効率がより高まりますのでこの記事が参考になれば幸いです。
参考元
- 「プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典」 ナツメ社
- 「石井直方の筋肉の科学」ベースボール・マガジン社
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