今回は疲労の除去が期待できる栄養素としてクエン酸を紹介します。
クエン酸とは
クエン酸というと栄養素やサプリメントとしてよく耳にすることがあることがあると思います。
また、クエン酸=すっぱいというイメージを持っている方も多いと思いますが、その通りで、レモンなどの柑橘類の酸味の元となる成分です。
クエン酸のメリット
クエン酸のメリットとして、疲労の回復を促進することが挙げられます。
酸っぱい梅干しや柑橘系の食べ物などを疲れた時に食べるといいと言われるのは、クエン酸による効果を期待できるからです。
また、疲労の除去と関連してクエン酸は乳酸の蓄積を抑えるという効果も期待できるので、クライミングでのパンプ対策、筋持久力を向上させる可能性があります。
クライミングをしていて腕に乳酸がたまってくると筋肉細胞が酸性になり、浸透圧の関係で水分が筋肉細胞内に流れ込んでくることによって、パンプが発生すると考えられています。この乳酸の発生を抑制することで、パンプを抑える効果がクエン酸には期待できるのです。
クエン酸の利用
人間が体内でエネルギーを作り出す方法には、糖質を利用してグリコーゲンから瞬発的なエネルギーを作り出す解糖系、酸素から持久的なエネルギーを作り出す有酸素系、クレアチンから短〜中時間のエネルギーを作り出すクレアチンーリン酸系があります。
このうち有酸素系ではクエン酸を利用してATPを作り出すクエン酸回路というものが働いています。
このクエン酸回路はその名の通りクエン酸を利用していますので、エネルギーを作り出すためにクエン酸が必要とされます。
クエン酸回路はこの代謝の発見者の名前をとってクレブス回路とも呼ばれます。
また、解糖系では瞬発的なエネルギーを作れるものの、副産物として乳酸が発生します。この乳酸は悪者のように言われますが、乳酸自体がエネルギー源ともなるのでトレーニング時にはうまく利用する必要があります。
この乳酸が代謝され、ピルビン酸になったあとクエン酸回路に取り込まれて、エネルギーの元となるATPを作り出す作用があります。
つまりクエン酸回路を利用することで、乳酸を減らし疲労を軽減する効果を期待できます。疲労物質である乳酸を、エネルギー源であるATP生成に利用することで、疲れを取り除くことになるのです。
疲れた時に梅干しを食べたりするのは実は理にかなっていたのですね。恐るべきおばあちゃんの知恵袋。
クエン酸の摂取
クエン酸の摂取方法としては、食べ物からとることも可能です。皆さんがよくイメージするレモンや梅干しに多く含まれていますので、それらを食べることが有効です。
味の好みや食習慣から、梅干しやレモンばかりを取ることも難しい場合もあるでしょう。その場合な市販のサプリメントとして摂取することも可能です。
トレーニング時のワークアウトドリンクに入れることで、トレーニングや競技のパフォーマンス向上も期待できます。
一日の摂取量としては2g〜5gが推奨されますので、サプリメントをうまく活用することもおすすめです。
以上疲労回復が期待できる栄養素としてクエン酸の紹介でした。
クライミング中の筋持久力を増加させたい、疲労の回復を早めたいという方は是非試してみてはいかがでしょうか。
参考元
「クライマーズ コンディショニング ブック」山と渓谷社
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