クライミングエリア紹介 小川山 vol.1

Japan
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今回は日本のクライミングエリアの中で最も人気の岩場の一つである長野県の小川山を紹介します。この記事では主にボルダリングエリアについて書いていきます。

概要

クライミングだけでなく、登山やキャンプなどのアウトドアアクティビティが盛んに行われる小川山は、シーズンの週末ともなると非常に多くの人が訪れ、駐車場に車が入りきらない時があるほどです。

所在地

長野県南佐久郡川上村廻り目平周辺がボルダリングエリアです。廻り目平は金峰山の一部にあたります。小川山という山は実際はエリアから離れたところのピークなのですが、クライマーの間では「小川山」という呼称が一般的です。

トポ

小川山のトポは充実しているので是非一冊は持っておきたいところです。

やはり最も参考になるのはダイホールドが出している「Ogawayama Bouldering Area Guide」です。

小川山ボルダリングエリアガイド
2017年に公開された、里エリア西に位置する岩数35,課題数109の「里西エリア」に加え、里エリアの東に位置する「里東エリア」、上部エリアと里エリアを繋ぐ中間部の「カモシカエリア」が新エリアとして本書発売日に公開されます。

カラー写真付きでラインがわかりやすく、課題も豊富に掲載されているので、この一冊があれば小川山のボルダリング課題をほぼ完璧に知ることができます。

開拓の歴史からエリア利用の注意点、エリアの概要や岩の配置なども詳細に書かれていてとても参考になります。

また、山と渓谷社が出版している「日本ボルダリングエリア 上」と「フリークライミング日本100岩場 伊豆・甲信」にも小川山が掲載されています。



先程のトポと比べると掲載されている分量も少なく、写真ではなくて絵で岩と課題のラインが書かれているので、慣れていないと読み取りにこつが必要です。

この本では東日本の様々なエリアが一括で載っているので、多くのエリアの情報を知りたい主な課題のラインだけわかればいいという場合はこちらのトポを購入することをおすすめします。

すでに絶版となってしまっていますが、小川山のトポとして外せないのは通称「黒本」です。かの有名な室井登喜男氏編の「小川山 御岳 三峰 ボルダー図集」のことですが、日本のボルダリングが普及するきっかけといってもいい一冊です。

このトポがベースとなって、上で紹介してきたトポが作成されています。

主なエリア

今回はOgawayama Bouldering Area Guideを参考にして、小川山の主なエリアを紹介していきます。

キャンプ場入口

町から小川山へ進んでいった場合、廻り目平キャンプ場の入り口より手前側にあるのがキャンプ場入口エリアです。石楠花遊歩道エリアとは道路を挟んで反対側にあります。

このエリアにはファンタジー岩と道路沿いにある玄関岩の二つがトポに掲載されています。

ファンタジー岩には「ファンタジア」(六級)などがあるスラブ面と、「モルボル」(初段)や「ベヒーモス」(一級)、「ファイナルファンタジー」(二段)がある垂壁の面が主にあります。

玄関岩はまさに小川山ボルダーの玄関といった感じでゲートの手前の道路沿いにあり、「玄関岩のクラック」(初段)があります。

石楠花遊歩道

西股川の廻り目平のゲートより下流側の川に沿って広がるエリアが石楠花遊歩道エリアです。

ここには「一筆」(初段)、「忘却の河」(二段)、「流れの中に」(一級)、「大いなる河の流れ」(二段)、「幻の光」(三段)、「ミケ」(二段)、「神の瞳」(一級)などムーブが多彩な課題が豊富にあり、アプローチも楽なのでいつも多くのクライマーで賑わっています。

キャンプ場

キャンプ場エリアは廻り目平の駐車場を囲むように岩が点在しています。ここには八級〜十級の課題が多くランディングもいいので初心者の練習やアップに最適です。

その中にあってきたない大岩の「小川山ジャンプ」(三段)はダイノ課題のテストピース的な存在です。

水晶スラブ周辺

キャンプ場から登山道を上がっていき水晶スラブの周辺にあるエリアです。

ここには高難度のシンボル的な課題である「伴奏者」(四段)や「頭痛」(四段)、「覚醒」(五段)、「豊かの海」(四段)、「静かの海」(二段)などがある不可能スラブがあります。

他のボルダーには「神奈月」(初段)、「虹の入江」(初段)、「雨月」(初段)などもあります。

分岐岩周辺

水晶スラブ周辺エリアの上部には、分岐岩奥の石石の魂があります。

石の魂ボルダーには「石の魂」(一級/初段)やホールドが細かく厳しい「黄泉」(三段)、甘いホールドでテクニカルな「A.I.T」(初段)があります。

その名の通りトレイルの分岐にある分岐岩には、メンタルも試される「MNP」(一級)があります。

奥の石には「テンペル タットル」(初段)があります。

林の中エリア

キャンプ場から少し上がったところにある林の中エリアはクジラ岩を中心に多くの有名課題がそろっています。

そのクジラ岩には一級というグレードの基準となった「エイハブ船長」を始め、「穴社長」(二段)、「穴社員」(三級)、「緑のマント」(初段)、「グロヴァッツスラブ」(初段)など多くの有名課題があります。

クジラ岩付近の岩には「ライトスパイヤー」(三級)、「田嶋ハング」(初段)、「夜明けまで」(二段)、「真夜中まで」(二段)、「穴プーシェ」(七級)などの課題が集まっており、様々なグレードの課題があります。

また、この近くには「冬の日」(四段)や「地獄変」(四段)といった小川山を代表する高難度課題を有するウイスキーボトル岩もあります。

親指岩周辺

親指岩へのアプローチの途中にあるエリアです。ここには「フィロソフィー」(初段)、「八月」(二段)、「月光の囁き」(三段)、「緑の河」(初段)などがあります。

八幡沢周辺

西股川を上流へ向かい、堰堤のあるところを右に曲がって上がっていくと、ヴィクターボルダーがあります。

ここには「コンケーブ」(三級)や「三日月ハング」(一級)、「Two Monks」(二段)といった有名な課題があり、下地の良さもあっていつも多くのクライマーで賑わっています。

また、「Rampage」(四段)もあり中級者から上級者まで楽しめるボルダーです。

さらに西股川を上流に行くと、「スーパー林道」(一級)や「フィロソフィカル」(二段)、「キングチョック レフト」(一級)、「ギガント」(初段)などの課題があります。

拝門天主

八幡沢から西股川沿いにさらに上流にいくとあるエリアです。河原にいくつかのボルダーが転がっています。

スティックアウト」(初段)、「ダイアグラム」(一級)、「ガーゴイル」(初段)、「ブルーモーメント」(初段)などがあります。

川の対岸へは飛び石を渡りますが、距離があるので落下しないように注意が必要です。不安な場合は旧林道から回り込んだ方が安全です。

こちらには「拝門岩スラブ」(二級)、「登拝門」(三級)やルーフ状が特徴的なボルダーの「守護神」(二段)、「月の砂漠」(一級)などがあります。「ジャコビニ彗星」(一級)がある天主岩は高さが7〜8mはあろうかという巨岩です。

烏帽子岩林道

烏帽子岩に行く途中の旧林道に沿ってスケールの大きな岩が点在しています。

トーフ岩には岩を一周する「トーフ岩トラバース」(三級)や「大豆」(初段)があります。

途中に3つ岩が固まっている場所がありますが、そこの「流星」(初段)と「濁流」(一級)は見栄えのするラインです。

最上部までいくと理事長岩があり、「ヘッドハンター」(一級)、「穴理事長」(初段)などがあります。

フェニックス周辺

八幡沢周辺と拝天門主エリアを通り過ぎ、西股川沿いを上がっていって最上流にはフェニックス大岩があります。

この巨大な岩の基部を登る課題は十級から七級とグレードは低いですが高さがあり気が抜けません。

少し下流側の枯沢沿いのボルダーには「朱雀門」(二段)や「リバーは川だ!」(三級)といったタイプの異なる課題があります。

アクセス

小川山へ行く場合はJR小梅線の濃川上駅から川端下までバスがあるものの、そこから廻り目平のキャンプ場まで歩いてかなりあるので自動車で行くのが通常です。

自動車

小川山ボルダリングの拠点となる駐車場は、廻り目平キャンプ場の駐車場がメインです。

ここが空いていなければ石楠花エリアの下部の駐車場に停めましょう。ここでも駐車料金は必要ということを知らない人が多いので注意です。

路肩への駐車は絶対にやめましょう。乗り合わせるなどして工夫をしましょう。


以上小川山の概要でした。次回はボルダリングの課題をできるだけ紹介していきます。

参考元

  • 「小川山 御岳 三峰 ボルダー図集」 通称「黒本」 室井登喜男編
  • 「フリークライミング日本100岩場3 甲信・伊豆」山と渓谷社
  • 「日本ボルダリングエリア 上」山と渓谷社
  • 「Ogawayama Bouldering Area Guide」ダイホールド


小川山ボルダリングエリアガイド
2017年に公開された、里エリア西に位置する岩数35,課題数109の「里西エリア」に加え、里エリアの東に位置する「里東エリア」、上部エリアと里エリアを繋ぐ中間部の「カモシカエリア」が新エリアとして本書発売日に公開されます。

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