今回はクライミングにおいて重要な役割を担う肩甲骨のストレッチについて解説します。肩甲骨の柔軟性を増してやることで、可動域がひろがりますし、けがの予防にもつながります。
肩甲骨を動かす動作
肩甲骨は様々な動作が可能であり、下記のようなものが挙げられます。
- 肩甲骨の内転
- 肩甲骨の外転
- 肩甲骨の拳上
- 肩甲骨の下制
- 肩甲骨の上方旋回
- 肩甲骨の下方旋回
肩甲骨の内転・外転は、左右の肩甲骨を寄せたり離したりする動作です。
肩甲骨の挙上・下制は、肩をすくめて肩甲骨を上げたり、リラックスして肩甲骨を下げたりする動作です。
肩甲骨の上方旋回は、腕を横から上に上げていくときに肩甲骨が回転する動作です。それとは逆に肩甲骨の下方旋回は、腕を下げるときに肩甲骨が内側に回転する動作です。
肩甲骨の動作に関与する筋肉
上記で示した肩甲骨の動作に関与する筋肉は多くあり、その代表的なものを下記に挙げます。
- 棘下筋
- 棘上筋
- 肩甲下筋
- 小円筋
- 僧帽筋
- 大円筋
実に多くの筋肉が関与していることがわかります。したがって複雑な動作を可能にしている一方、けがにもつながりやすいのでストレッチが重要となります。
クライミングの動作でよく使われる動き
クライミングにおいて肩甲骨の役割とはなんでしょうか。
例えば腕を上げてホールドを取りにいくときは、肩甲骨の上方旋回が起きます。
また、正面にホールドを引き付けていく局面では上腕二頭筋や広背筋を主に使いますが、肩甲骨の内転や下制を行うことでより力を発揮するとともに、姿勢の安定にもつながります。つまり体のブレが少なくなり、精度の高い動きが可能になります。
肩甲骨はクライミングにおいて様々なムーブで使用されますので、非常に重要な部位となります。
肩甲骨のストレッチ
それでは上記の特徴を踏まえて、いくつか肩甲骨のストレッチを紹介します。
肩甲骨のストレッチ その1
一つ目のストレッチは手のひらを合わせた状態で、下、前、上へ腕を伸ばしていくものです。このとき、肩甲骨は外転しながら、下制から挙上の動作をしています。
3分20秒あたりから始まる、手をひねった状態でのストレッチが私としてはおすすめです。この動画の動作に追加して、腕を上に上げた時に、手をぐるぐると回すと肩甲骨の上方旋回と下方旋回の動作も伴うので、肩甲骨の可動域を広げるのに効果的です。
肩甲骨のストレッチ その2
二つ目のストレッチは、まず片方の肘を、反対の腕の肘の内側に当てます。そこから両肘を直角に曲げて、下側の腕で上側の腕を上方に押してやる動作をします。
このときにも肩甲骨は外転をしながら挙上する動きとなります。下側の腕で上側の腕を引き上げるので、肩甲骨がはがされるような感覚を味わうことができると思います。
以上肩甲骨の役割とストレッチを紹介しました。怪我の防止はもちろん、可動域を広げることでクライミングのパフォーマンスの向上にもつながりますので、是非試してみてください。
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