クライミングをする際、ホールドを持つときの手の形には様々なものがあります。その中から今回はアーケ、セミアーケ、タンデュの形と特徴を解説していきます。
アーケ
カチ持ちとも呼ばれ、薄いホールドを持つときに多く用いられます。指の第一関節はまっすぐにするか反らして、第二関節を曲げ、親指を人差し指に乗せます。親指を人差し指に乗せることでホールディングが崩れず、大きな力を発揮できます。
その一方、第二関節にはかなりの負荷がかかるので、けがにつながりやすいです。第二関節が異常に太くなる症状が現れることもあります。特に子供は骨格の形成が不十分で、骨の剥離が起きることもあるので、使用を控えることも重要です。
アーケでホールディングをすると、ホールドとコンタクトする点から、腕で引く点までの距離が遠くなるので、モーメントが大きくなります。それにより大きな力がかかり、ホールドしている感覚は強くなりますが、逆に指への負荷も大きくなるという特徴があります。
指とともに手首の可動域も制限されるので、ムーブを実行する場合の範囲が狭くなるという欠点もあります。力が入る分ヨレるのも早いので、ここぞというときに使うホールディングです。
アーケ”Arque”はフランス語で、ちなみに英語だとクリンプ”Crimp”と呼びます。
セミアーケ
後述するタンデュとアーケとの中間のホールディングです。アーケでは親指を人差し指に乗せていましたが、セミアーケでは親指はフリーにするか添える程度にして、他の4本の指を少し広げます。
指の第一関節はほぼまっすぐで、第二関節は直角にしてホールディングすることで、ある程度力も入るし、疲労もそこそこといった感じになります。
タンデュ
オープンハンドとも呼ばれ、第一関節と第二関節をともに少し曲げる程度で、ほぼまっすぐに伸ばして保持します。
指の保持力が強ければほとんどの場面でタンデュが有効です。アーケに比べると関節への負荷も少なくなります。
岩との接触点と腕との距離が近いので、アーケに比べると少ない力で済みます。一方で指が開かないように保持をする保持力が必要とされます。
アーケの形を作れないというクライマーも一定数いて、その場合はタンデュかセミアーケで対応するので指の保持力が強いということになります。
アーケに比べると第二関節の曲げや、親指の固定がないので、ムーブを起こす際の可動域が広くとれます。
まとめ
これまでの各ホールディングの特徴をまとめます。(主観が混じっている部分もありますのでご容赦ください。)
アーケ | セミアーケ | タンデュ | |
ホールドする感覚 | 大きい | 普通 | 小さい |
ホールドと腕の距離 | 長い | 普通 | 短い |
必要な保持力 | 小さい | 普通 | 大きい |
可動域 | 狭い | 普通 | 広い |
疲労 | 疲れやすい | 中間 | 疲れにくい |
けがのリスク | 高い | 中 | 低い |
以上アーケとセミアーケ、タンデュの比較をしました。ホールドの形状や傾斜、個人の好みによって使い分けていくといいでしょう。
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