今回は筋肉の合成に関わってくる栄養素として、アミノ酸の一種であるロイシンについて紹介します。
ロイシンとは
ロイシンはアミノ酸の一種で、体内では合成できないので食事などから摂取する必要がある必須アミノ酸に分類されます。
この必須アミノ酸には9種類ありますが、そのうちロイシン、イソロイシン、バリンの3種類はその分子構造から分岐鎖アミノ酸と呼ばれます。英語で言うとBranched Chain Amino Acidで、その頭文字をとってBCAAと言われ、飲料水やサプリメントとして目にする機会が多くあると思います。
ロイシンのメリット
ロイシンのメリットとしては、筋肉の合成を促進し、さらには分解を抑制することが挙げられます。
筋肉の合成にはmTORという酵素が関与していますが、ロイシンはこのmTORを刺激します。この働きによってロイシンが筋肉の合成を促進し、分解を促します。
ロイシンの利用
ロイシンを摂取すると、消化吸収を経て血中に流れます。ロイシンを含めてBCAAは他のアミノ酸とは違い、筋肉で代謝されます。
代謝の過程でロイシンはHMB(ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸)というものに変化します。これもサプリメントとして売っているので見たことがあるかもしれません。
HMBが筋肉内で働くことによって、筋肉の分解を抑制し、合成を促進します。
BCAAの中でも特にロイシンは筋肉の分解を抑制することに役立ちますので、例えば激しい筋トレをしている最中や、減量中でできるだけ筋肉を減らしたくないという場合はロイシンを積極的に摂取するといいでしょう。
ロイシンの摂取
ロイシンは通常の食事からとることもできます。牛肉、豚肉、鶏肉、魚、卵などタンパク質が多く含まれる食品にはロイシンも多く含まれます。
サプリメントとして売っているものは、さまざまな比率でBCAAが配合されています。
例えばロイシン:イソロイシン:バリン=2:1:1だったり、4:1:1、3:2:2などメーカーによって異なります。一般的に効果的な比率は2:1:1と言われていますが、自分にあるものを試してみてはいかがでしょうか。
以上筋肉の合成の向上と、分解の抑制が期待できる栄養素としてロイシンの紹介でした。筋肉を増強させたい、または減量中に筋肉の分解を抑制したいという方は是非試してみてはいかがでしょうか。
参考元
「クライマーズ コンディショニング ブック」山と渓谷社
コメント