クライミングのトレーニングプログラム

Training
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ジムでクライミングをする目的は人それぞれです。最高グレードを更新したい、持久力を向上させたい、もしくはリクリエーションとして楽しむために登りたいなど、目的によってトライするグレードや本数が変わってきます。

今回はある1日の中でクラミングの能力を向上させるためのトレーニングプログラムを紹介します。漫然と登るよりも、目的を明確にしてトレーニングを実施すれば効果的にクライミング能力を向上させることができるでしょう。

前提

今回は最高レッドポイントグレードがリードで5.12a、ボルダリングで一級の人の場合の一例で説明していきますので、各個人のグレードに合わせて調整してください。

トレーニングプログラムに入る前に、ストレッチを行い、リードであれば5.9や5.10a、ボルダリングであれば八級〜六級あたりでウォーミングアップをしたあとに、以下で紹介するプログラムを実施します。

ストレートセット法

同じ強度のトレーニングを繰り返し続けることをストレートセット法といいます。

リードであれば最高グレードの一つか二つくらい下のグレードのルートを登ります。例えば5.11c→5.11c→5.11cと同じグレードのルートを繰り返していきます。

ボルダリングであれば三級→三級→三級と同じグレードをトライしていきます。

特徴としては同じグレードなので強度に慣れることができることと、適度に負荷をかけ続けられることです。

ウエイトトレーニングでいうところの10回3セットのようなもので、オーソドックスなトレーニング方法であり、筋肥大を目指すプログラムと言えます。また、同じグレードの繰り返しなので、そのグレードに対するクライミングスキルの向上も期待できます。

強度が適度なので怪我のリスクを減らしつつ、ある程度の負荷を与えてクライミングに必要なパフォーマンス全体の向上を狙います。

あえてデメリットを言うと最高グレードに挑戦できないという点と、単調になりがちという点でしょうか。

アッセンディングセット法

徐々に負荷を上げていくトレーニングプログラムをアッセンディングセット法といいます。Ascendingとは上昇するという意味です。

リードクライミングで言えば、5.11a→5.11b→5.11c→5.11dとグレードを上げていきます。

ボルダリングで言えば五級→四級→三級→二級と変化させていきます。

ある程度グレードを上げると疲労によって頭打ちになるので、この日の最大のグレードをトライし続けます。

このアッセンディングセット法の特徴として、最初の低グレードのところはウォーミングアップとして使えるので怪我のリスクを減らすことが可能だということです。この間で体温を上昇させて血液の循環を向上させ、関節の可動域を広げたり、ムーブに体を慣らすことができます。

この方法のデメリットとしては、ストレートセット法同様に最高グレードのトライは難しいという点にあります。低グレードから最高グレードに近づいていくうちに疲労が溜まっていくので、パワーが出なくなっていきます。

したがって、この方法を採用する日は本数を増やすなど、全体のトレーニングボリュームを増やすことを目的とするなど割り切ってクライミングをすることをおすすめします。

ディッセンディングセット法(ドロップセット法)

アッセンディングセット法とは逆に、グレードを徐々に下げていく方法をディッセンディングセット法またはドロップセット法といいます。Descendingとは下降するという意味です

ウォーミングアップが終わったら、最高グレードに近い強度のルートから登り始めます

ルートクライミングで言えば、5.12a→5.11d→5.11c→5.11bといったように徐々にグレードを下げていきます。

ボルダリングでは一級→二級→三級→四級とトライするグレードを下げていきます。

この際、パンプや疲労などを感じて同じグレードが登れないと感じたらグレードを下げていきます。

ディッセンディングセット法では最初のフレッシュな状態で最高グレードに挑戦することができるので、グレードを伸ばしていくことが可能です。モチベーションの向上にもつながるでしょう。また、強度の高いトレーニングができるので、筋出力の向上を狙ったクライミングができます。

また、グレードを落としながら登ることで全体のトレーニングボリュームを稼ぐことができ、化学的な刺激を筋肉に与えて筋肥大へとつなげることもできます。

一方いきなり負荷の高いルートを登るので怪我のリスクが増大することがデメリットと言えます。

ピラミッド法

次に紹介するピラミッド法はアッセンディングセット法とディッセンディングセット法を組み合わせたトレーニングプログラムです。

これは前半は負荷を上げていき、登れないグレードに到達したらグレードを段々と下げていくものです。クライマーが自然とやっている方法だと思います。

ルートクライミングで言えば、5.11b→5.11c→5.11d→5.11c→5.11bと登っていきます。

ボルダリングでは四級→三級→二級→三級→四級とグレードを上げた後、後半は下げていきます。

このピラミッド法はアッセンディングセット法とディッセンディングセット法のいいとこどりができる点がメリットとしてあげられます。

前半のグレードを上げるところはウォームアップにもなるので怪我の予防になりますし、後半のグレードを下げるところは強度を下げながら追い込むことができます。

全体のトレーニングボリュームを稼ぐことによって、化学的な刺激を最大限加えることが可能です。

デメリットとしては最高グレードに挑戦できないことや、トレーニング自体に時間がかかることでしょうか。


以上クライミングにおけるトレーニングプログラムの紹介でした。その時に強化したいポイント、時間や場所の制約など、状況に応じて目的にあったプログラムを選択してみることをおすすめします。

参考元

  • 「パフォーマンスロッククライミング」山と渓谷社
  • 「コンペで勝つ!スポーツクライミング上達法」山と渓谷社


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