クライミングのための栄養素 プロテイン

Diet
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今回は筋肉や皮膚の材料となるたんぱく質と、サプリメントであるプロテインについて紹介していきます。

たんぱく質を多く含む食材

たんぱく質

皆さんは三大栄養素という言葉を聞いたことがあると思います。エネルギーの源となる炭水化物、脂肪の材料となりホルモンを作る役割もある脂質、筋肉や皮膚などの体の材料となるたんぱく質です。さらにこれらにビタミンミネラルを加えた場合、五大栄養素と呼びます。

五大栄養素を含む代表的な食材

たんぱく質は肉や魚、卵や牛乳などに多く含まれており、普段の食事でも摂ることができます。

たんぱく質の摂取

肉や魚を食事で摂ると、胃から腸へいく過程で消化されます。このとき、たんぱく質はペプチドというものに分解され、さらに細かいアミノ酸へと分解されます。アミノ酸が数個つながったものがペプチド、アミノ酸が数十個~数百個つながったものがたんぱく質です。

トレーニングをしていない一般の方の、1日に必要なたんぱく質の量は体重x1g。体重60kgであれば60g、体重45kgであれば45gが推奨量です。

それに対してトレーニングを定期的に実施している人は、より多くのたんぱく質が必要とされ、1日当たり体重x2gが推奨です。体重60kgの人は120g、体重45kgの人は90gが推奨量です。個人差はありますが、摂取するたんぱく質は多すぎても筋たんぱく合成の効果は頭打ちになります。

一度に摂取するたんぱく質は20g~25gがいいとされています。それ以下だと血中アミノ酸濃度がすぐに下がってしまいます。それ以上多くても十分に吸収されずに、無駄となってしまいます。

プロテインの種類

通常の食事で必要なたんぱく質量が摂れていれば問題ありません。しかし肉をたくさん食べるとなると計な脂質を一緒に摂取してしまったり、消化に時間がかかり胃腸への負担も増えます。そこで手軽に必要量のたんぱく質を摂取する方法として、サプリメントのプロテインを活用することが挙げられます。

プロテインにも原料となるものによって、様々な種類があります。

  • ホエイプロテイン:牛乳由来のたんぱく質でヨーグルトの上澄み(ホエイ)が原料
  • カゼインプロテイン:牛乳由来のたんぱく質
  • ソイプロテイン:大豆由来の植物性たんぱく質
  • ビーフプロテイン:牛肉由来のたんぱく質

以上が代表的なプロテインの種類です。一般的にサプリメントとして飲まれているのは、ホエイプロテインとカゼインプロテイン、ソイプロテインです。特に筋トレにおいては吸収が早くアミノ酸のバランスがいいという理由でホエイプロテインが多く利用されます。

ホエイプロテインの中でもその製造方法によって主に2種類が存在します。

ホエイプロテインコンセントレート

一つ目はホエイプロテインコンセントレート(WPC)です。牛乳のホエイを精製して、たんぱく質含有量が70%~90%程度になるように配合したサプリメントです。残りの成分は炭水化物や脂質で、デキストリンやアミノ酸を追加したものもあります。

ホエイプロテインアイソレート

二つ目はホエイプロテインアイソレート(WPI)です。WPCに対してさらにホエイの純度を高めて、たんぱく質含有量が90%以上となるようにしたサプリメントです。炭水化物や脂質をできるだけ排除して、たんぱく質の割合を高めています。

WPCはその製法からWPIに比べて安価ですし、入手しやすいというメリットがあります。一方、できるだけ余計な脂質は取りたくないという方はWPIを利用することをおすすめします。クライマーにとって脂肪はあまり要らないものなので、お財布と相談してWPIにするのもいいでしょう。

また、人によっては乳糖不耐性といって、牛乳に含まれる糖をうまく消化できず下痢になってしまう場合があります。そういった人にとってはWPIを摂取することで下痢などを回避することができます。

プロテインの摂取タイミング

人間の体は常に筋肉の合成と分解が行われています。合成が分解を上回れば筋肉は増えますし、逆に合成が分解を下回れば筋肉は減ってしまいます。このとき、アミノ酸が十分に血液中に存在しなければ、筋肉の分解が多くなってしまうのです。つまり筋肉を増やしたい場合は、分解を抑えるために、たんぱく質を摂取して、血中のアミノ酸濃度を高めてやる必要があります。

アミノ酸濃度を効果的に高めるタイミングはいつなのでしょうか。それは、トレーニングの1時間前食間就寝の1時間前です。

プロテイン摂取の一例

食事の直後は食事から摂取できるたんぱく質により、血中のアミノ酸濃度が高まります。飲食したものにもよりますが、徐々にアミノ酸が消費されて、アミノ酸濃度が下がってきます。次の食事までの間が空いてしまう場合は、プロテインを摂取して、アミノ酸濃度を上げておくと筋肉の分解を抑制できます。

食間と同様に、睡眠中は空腹となりアミノ酸濃度が下がってしまいがちです。そこでプロテインを就寝の1時間前に摂って、睡眠中の血中アミノ酸濃度を上げておくといいです。寝る直前にとってしまうと、消化不良や睡眠の質の低下につながるので、1時間くらい前に摂ることをおすすめします。

トレーニングを開始した瞬間から筋肉の合成は始まっているので、材料となるアミノ酸が十分に血中に存在する必要があります。そのタイミングを合わせるために、トレーニングの1時間前にプロテインを飲むことで、トレーニング中のアミノ酸濃度を高く保つことが可能となります。

一昔前までは、トレーニング直後がゴールデンタイムと呼ばれて、そのタイミングでのプロテインの摂取が推奨されていました。しかし現在の研究によると、トレーニング後も48時間~72時間は筋たんぱく質の合成が高まっているので、その間に血中アミノ酸濃度を高めておけば、トレーニング直後に集中的にとらなくてもいいとされています。

以上たんぱく質とサプリメントとしてのプロテインについての解説でした。こういった栄養学の研究は日進月歩なので、昨日の常識が今日の非常識となることもあります。最新の情報を得るようにしていきましょう。

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