*2021年6月20日以降、義経、五条橋、弁慶エリアの岩は御神体として祀られることとなり、登攀禁止となりました。残念ではありますがこれまで登らせてもらったことに感謝しかありません。
今回は、青森県にある階上ボルダーを紹介します。階上は「かいじょう」ではなく「はしかみ」と読みます。
所在地
青森県三戸郡階上町にある小高い山林の中がボルダリングのエリアです。山館前公園という公園の背後にあり、神社へ続く林道に沿って岩が転がっています。
アクセス
公共の交通機関がないので、ボルダーへのアクセスは自動車が主となります。
自動車
車で行く場合は、山館前公園の駐車場があります。
10台は停められる広い砂利の駐車場です。
基本情報
トポ
岩場の情報は、「日本ボルダリングエリア 上」また、岩手県のジムONE MOVEのホームページ記載のトポが参考になります。
奥の院エリアについては下記のリンクを参考にしました。
開拓
地元のクライマーである野坂氏が発見、開拓をし、地元の方々との交渉や整備までを行った岩場です。最初に神社付近の弁慶、義経、五条橋の各エリアが開拓され、それに続いて奥の院エリアが開拓されました。地元との良好な関係を維持するためにも大切に利用したい岩場です。
環境
岩質は花崗岩で、結晶は大きめで指皮がかなり削られます。標高は高くなく春や秋は快適に登ることができます。
エリアのなかには神社があり、そこへつながる林道に沿って岩が転がっています。参拝者がいるかもしれないので静かな利用を心がけたいです。
山館前公園
クライミングエリアは山館前公園の背後の山にあります。ローラーコースターなどの遊具もあり、家族づれなども訪れる公園です。公園にはトイレもありますので、催した際には山を下りて公園まで戻りましょう。
公園には多くの桜が植えてあり、春には公園一面に広がる満開の桜の様子が美しいです。

主な課題
各エリアごとに課題を紹介していきます。
弁慶エリア
駐車場から東回りで登っていくと最初に到着するのが弁慶エリアです。駐車場からのアプローチは約10分ほどです。
C岩の「バラライカ」(4Q)は面白いマントル課題で、そのシットダウンスタートである「XYZ」(1D)はバラライカのスタートをとる一手が厳しいです。
D岩の「妙覚」(2D)はカチを使っていく高さもある垂壁の好課題です。

H岩には多くの課題があり、「俯瞰」(4Q)は花崗岩のマントルを味わえます。「禊」(1Q)は垂壁からオーバーハングへトラバースしていき、手数もあってムーブも楽しめます。
五条橋エリア
弁慶エリアと義経エリアに挟まれた五条橋エリアは、2つしか岩がありません。
J岩の「コロポックル」(3Q)はアンダーの連続という珍しい課題です。
K岩の「宿命」(4Q)はスタートからマントルまで気が抜けない5つ星課題です。
義経エリア
弁慶エリアとは反対に、駐車場から西回りで山を登っていくと、義経エリアにいけます。駐車場からだと徒歩で15分ほどのアプローチです。

L岩の「円陣」(2Q)は高さに注意が必要ですが、クラックを使って斜めに上がっていく好課題です。

M岩の「岩融(いわおとし)」(1Q)はハングから垂壁の中央をあがっていきます。

Q岩の「牛若丸」(2D~3D)はルーフから垂壁に出てくる、このエリアを代表する課題です。

R岩はクラックが多い見た目が特徴的で、「旋風」(4Q)や「小熊」(5Q)などがあります。

S岩にも階上を代表する課題、「鳥瞰」(1Q)があります。甘いカンテを上がった先の上部も悪いというメンタルも試されるラインです。

同じS岩の「eyes bucket」(2Q)はカチをピンポイントで狙う精度が必要とされます。
奥の院エリア
駐車場から義経エリアを目指し、神社方面へは行かずに通り過ぎて行くと、奥の院エリアがあります。ここには30近いボルダーがあり、初級課題も多いので初心者でもかなり楽しめると思います。

1番の中央をほぼ直登する「見上げる空」(1Q)は高さのあるスラブなので着地には注意してください。

2番にはトラバース課題の「幻夜」(3Q)や、スラブへ回り込む「苔落とし」(4Q)があります。

10番にクラックやフレークを使うムーブが楽しい「A-CODE」(1Q)があります。

13番は高さもあり下地も悪いのでトライには注意してください。

19番には4Q~1Dまでの課題があります。多くの割れ目が特徴的な岩で、ハングから垂壁までの課題が楽しめます。

21番には「BUSAIKU」(1Q)や「Rock You」(1Q)などホールドが細かく足も悪い課題があります。
おすすめ飲食
エリアの近くには「東門」という古民家を利用したカフェがあります。


落ち着いた雰囲気で食べる名物の階上そばは別格です。
また、青森のB級グルメと言えば、八戸せんべい汁が有名です。

鍋に沈めたせんべいがだしを吸って美味しいです。
以上階上ボルダーの紹介でした。一つの山の中に多くの課題があり、高さもちょうどよくいろんなタイプのクライミングが楽しめるいいエリアです。ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
参考元
- 「日本ボルダリングエリア 上」山と渓谷社
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