クラッシュパッドの種類と選び方

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今回はアウトドアでボルダリングをする際にいまや必須の道具と言えるクラッシュパッドについて、その種類と選び方について紹介していきます。

単純に「マット」と言ったりすることもありますが、今回は「クラッシュパッド」という呼び方で統一して説明します。

クラッシュパッドの特徴

アウトドアでボルダリングをする時、下地が土の場合もあれば岩盤の場合もあったり、木の根や石が積み重なっていたりして不安定な場合があります。そういった時に何も下に敷かないと着地の際に捻挫やひどい場合には骨折などの怪我をしてしまいます。

そこで着地の衝撃を和らげ、怪我のリスクを低減するためにクラッシュパッドを敷くことが一般的です。

内部の構造

クラッシュパッドは岩場まで持ち運ぶという性質上、軽量かつ衝撃吸収性が高いことの両立が求められますので、内部構造に工夫が見られます。


よくある構造としては、何枚かの緩衝材が層状になっており、上から硬い層、柔らかい層、硬い層という順番で重なっています。

それぞれの役割としては真ん中の柔らかい層で衝撃を吸収し、上下の硬い層で全体の強度を上げるとともに、剛性を高めてクラッシュパッドの寿命を伸ばすことが特徴として挙げられます。

厚みと重量

クラッシュパッドの衝撃吸収性能に大きな影響をあたるのがその素材と厚さです。内部構造が3層、4層、5層など、入っているシートの数や、シートごとの厚さによって全体の厚さが異なります。

また、厚さについてはサブマットの様に2〜3cm程度の補助的なものから、15cm以上にもなるクッション性を重視したものまで幅広くあります。

その一方で厚みが増すほどに重くなりますので、持ち運びが不便になります。厚さと重量はトレードオフの関係にあります。

クラッシュパッドの種類

クラッシュパッドはその形状や装備でいくつかの種類に分類することができます。

ヒンジタイプ

大きく二つや三つのパートに分かれていて、布が薄くなっている部分で折り曲げて畳む構造のものを「ヒンジタイプ」と呼びます。蝶番のついた扉を閉めるようにして、収納することができます。


横から見た時に、ヒンジの部分が垂直であるものや、斜めになっていて強度を上げる工夫があるものなどがあります。


ブリトータイプ

比較的大きめのクラッシュパッドで、くるっと巻き付けてロール状にして収納するタイプを「ブリトータイプ」や、「ロールタイプ」と呼んだりします。

このタイプのクラッシュパッドは丸める必要があるので大きめのサイズであることが多く、広い範囲をカバーしてくれるので比較的安心です。

タコスタイプ

ブリトータイプに似ていますが、半分にだけ折り畳むタイプを通称「タコスタイプ」といいます。


大抵は両端が合わさる様に巻くようになっており、半分に折り畳むだけなので閉じるのも開けるのも簡単です。ブリトータイプに比べるとコンパクトで持ち運びに便利です。

肩掛けとリュックタイプ

持ち運ぶ際に検討すべきなのが肩掛けにできるか、リュックの様に背負えるかどうかです。

アプローチが平坦であったり近くて楽な場合は、肩掛けのタイプでも十分でしょう。シューズや食料を入れたザックを背中に背負って、肩掛けタイプのクラッシュパッドを使えば足元は見やすいです。

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また、近いエリアを頻繁に移動する様な場合は肩掛けの方が移動が素早くできるので便利です。

しかし肩掛けの場合は重量が片方にかかるのでバランスが悪く、長時間の移動だと疲れます。また、大抵の場合は太ももに当たったりするので歩きずらい場合があります。

これに対してリュックタイプであれば背中に背負って、そこに荷物を挟んでしまえば荷物は一つにまとめることができ、歩きやすくなります。


荷物が多い場合はリュックを前につけて、背中側にクラッシュパッドを背負えば前後でバランスを取ることも可能です。

足拭き部

クライミングシューズの汚れを取り除くための部分があるクラッシュパッドもあります。


例えばクラッシュパッドの一部がフェルト状になっており、登る前にそこでクライミングシューズについた汚れを拭き取って、綺麗にすることができます。

着地面の一部が足拭き部になっていたり、小さい布がついていてめくれるようになっているものもあります。

荷物を入れるポケット

ボルダリングに行く際には荷物をどこに収納するのかが悩みどころです。

ブリトータイプの大きいクラッシュパッドであれば間に多くの荷物を挟むことも可能ですが、ヒンジタイプだと隙間が小さくなるのであまり多くの荷物を挟めません。そして挟んだ荷物を下に落としてしまう可能性も大きくなります。

そこで荷物を収納するポケットがついているクラッシュパッドもあります。このタイプだと多くの荷物を入れることができますし、落とす危険性も減らすことができます。

また、クラッシュパッドを畳んだ時に下側を覆う布がついており、隙間から荷物が落ちることを防ぐ役割のものもあります。

サブマット

これまで紹介してきた大きめのクラッシュパッドに対して、半分程度の大きさの補助的なものもあります。

着地点付近の飛び出た岩や、木の根などを隠すために使ったり、スタートが低くて普通のクラッシュパッドだと体の一部が触ってしまう場合などにあると便利です。

大きさや厚さも様々なので、アプローチや他の荷物を考慮して使うといいでしょう。

クラッシュパッドの選び方

以上のような特徴を踏まえて、目的別にクラッシュパッドの選び方を紹介したいと思います。

オールラウンドタイプ

様々な状況に対応できる一般的なクラッシュパッドとしては、やはりミドルサイズのものがいいでしょう。ある程度の広さをカバーできますし、荷物の軽量化もはかれますのでアプローチでの疲労軽減にもつながります。

全ての荷物をクラッシュパッドに挟みたい場合はブリトータイプの大きめのものがいいでしょう。

クラッシュパッドを背中に背負って、荷物を入れたリュックを正面に抱える場合はコンパクトになりますので、ヒンジタイプでもいいでしょう。

ハイボールや下地の悪い場所の場合

登りたい課題がハイボールであったり下地が悪い場所にある場合、衝撃吸収性が重要となりますので、厚みが15cm以上の分厚く、面積の広いものを使用することをおすすめします。

これにサブマットも併用して下地を広範囲でカバーするとさらに安心です。荷物が多くなりアプローチが大変ですが、安全を優先して選択することをおすすめします。

アプローチが悪い時

アプローチが遠い場合や、足元が悪かったり勾配がきつい場合などは荷物が多いこと自体が負担になります。

厚さと衝撃吸収性は相反するので、あまり高いボルダーを登らず軽量化を優先するのであれば小さいサイズや、10cm程度の厚みのものがいいでしょう。

できるだけ軽量かつ動きやすい荷物の状態にすることで、安全にアプローチすることもできますし、疲労を軽減してクライミングのパフォーマンス向上につなげられます。


以上ボルダリングで使用するクラッシュパッドの特徴とシチュエーションに合わせた選び方を紹介してきました。

ボルダリングでもはや必須の道具ですし、安全に登ることに直結する道具ですが、結構値段がしますので、大きさや厚さと価格を天秤にかけてよく考えて選ぶことをおすすめします。

こちらの記事がクラッシュパッド選びの参考になればうれしいです。

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