クライミングチョークのブラッシングの種類と方法

How to
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今回はクライミングで使用するチョークを落とす、ブラッシングについて解説します。

ブラッシングの必要性

クライミングにおいて、ブラッシングの必要性とはなんでしょうか。まず何といっても登る前の状態に戻すという目的が挙げられます。

クライミングに限らず、アウトドアでの活動では可能な限りの原状回復が基本となります。ごみを出したら持ち帰る、草木や動植物は傷つけないなど、自然環境に負荷をあたえない行動が必要です。それに従えばチョークを付けた岩をできる限りもとに戻す努力をすることが最低限のマナーとなります。

また、自然はクライマーだけのものではないという認識を持つことも重要です。

クライミングで使用するチョークはほとんどの場合が白い色をしているので、岩が黒い場合などかなり目立ちます。特に雨で流れてしまい、岩に白い筋が残っている場合などは見た目も悪いです。

クライマーは慣れているのでそこまで気にしないかもしれませんが、観光客であったり一般の登山客などがこれを見た場合、不快に感じてしまいます

最悪の場合はアクセス問題に発展し、登攀禁止となる可能性もあるのでチョークを落としていくことが必須です。

チョーク跡が目立つ忍者返しの岩

別の観点ではクライミングのパフォーマンスへの影響もあります。

滑り止めとしてのチョークですが、逆に使いすぎると滑りやすくなってしまいます。チョークそのものは接着剤のように密着する役割をしません。手から出る汗をチョークが吸い取ることで、フリクションの低下を防ぐと言ったほうが適切です。

従ってチョークがホールドに乗りすぎていると、それは砂が積もっているのと同じで滑りやすくなってしまいます。チョークを適切に落としてフリクションを増大させることで、クライミングのパフォーマンス向上につなげることができます。

ブラシの種類

チョークを落とすためのブラシにも様々な種類があります。

まずは大きさによる違いがあります。長さが15㎝~20cm程度の歯ブラシほどの大きさのものから、2mほどの長さのものまであります。手の届く範囲をブラッシングしたいのであれば歯ブラシサイズのものを使用し、高い場所のホールドを掃除したい場合は長いものを使用します。

また、材質による違いもあります。ブラシの部分がナイロンなどのプラスチック製のものや、豚毛や馬毛など天然のものを利用したブラシがあります。豚毛などは多孔質で、結晶の隙間に入ったチョークを掻き出すのに適しているといえます。

他には形状にも工夫があるものがあります。シンプルにまっすぐなタイプのものもあれば、手にフィットするように柄が曲がっているもの、岩にあたらないように先端の部分が曲がっているものなど各メーカーが特徴を出して差別化をはかっています。

一昔前までは歯ブラシや住居の掃除用のブラシを流用するのが通常でしたが、現在は各クライミングギアメーカーがクライミング専用のブラシを多く販売しており、選択肢が増えました。

その中からいくつか紹介します。まずは何といっても「PAMO」です。


今やボルダリングでブラシのスタンダードといっていいほど、どの岩場に行ってもこれを使っている人を見ます。アルミ製のポールに大きめの豚毛ブラシがついており、軽量かつチョークが落としやすい一本です。

ハンドサイズのブラシは種類も豊富です。




毛束の長さや硬さ、柄の曲がり具合など各社が知恵を絞った製品を出しています。

安いほうがいいという方はドラッグストアで売っている歯ブラシを買うのもいいでしょうし、確実にチョークを落としておきたいという方にはクライミング専用のブラシを購入することをおすすめします。

ブラッシングの方法

岩場での具体的なブラッシングの方法を紹介します。

まず手が届く範囲のホールドについては、歯ブラシサイズのブラシを使用するといいです。細かいところも掃除しやすいですし、力も入れやすいので効率よくチョークを落とすことができます。

手の届かない範囲のホールドは柄がついた長いブラシで掃除します。

柄が伸縮性のブラシであればさらに遠いホールドを掃除することも可能です。

どちらにしても、様々な方向からブラシをかけることをおすすめします。岩の結晶の方向はバラバラで、いろんな角度の溝にチョークが詰まっています。縦に磨いたら横にも磨くようにしましょう。そういった点で、角度が変えられるブラシは重宝します。

大きめのブラシで大まかに磨いた後、ホールドする場所をピンポイントに小さいブラシで磨きます。

ポケットやクラックなどは曲がった柄のブラシではうまく磨けないので、ストレートのブラシも用意しておくといいでしょう。

クライミングだけでなくブラッシングの際も周りの様子をよく観察しましょう。順番待ちができているなかであえて長時間ブラッシングする必要もないでしょう。最後に登るクライマーにブラッシングを委ねましょう。


以上ブラッシングの方法、ブラシの種類について紹介してきました。クライマーだけでなく、みんなが気持ちよく利用できるように心がけたいものです。

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