今回はクライミングや筋トレで停滞期(プラトー)が訪れた時にどうすればいいのかについて紹介していきます。
停滞期とは
停滞期もしくはプラトーと呼ばれる現象は、普通はトレーニングの負荷やクライミングのグレードが上がらないとか、目標の課題が登れないといったことに対して言われるものです。
しかし、それ以上に深刻な場合もあります。
停滞するどころか、これまでできていたものができなくなってトレーニングの負荷やグレードが下がったり、登る気力自体がなくなるということが起きることがあります。この場合はオーバーワークもしくはオーバートレーニングと呼ばれている症状で、長い期間に渡ってパフォーマンスの低下につながります。
停滞期が起こる原因
プラトーや停滞期が起こる原因としてはいくつかの理由が考えられます。
オーバーワーク
最も深刻なのはトレーニングのしすぎによるオーバーワークもしくはオーバートレーニングです。
限界を超えるために負荷の高いトレーニングを行うことは重要なのですが、それが行きすぎて疲労がたまり、集中力やモチベーションを失ってトレーニングができなるなる状態のことをいいます。
ただ単にエネルギーが枯渇して疲れているだけでなく、メンタルも落ち込んでトレーニングを実施する気力がない、トレーニングができても重量が上がっていかないと言った症状が長期間にわたって現れます。
刺激に慣れる
停滞期が訪れる原因として、刺激に慣れてくることが挙げられます。同じ種目や動作をずっと続けていると、筋肉はその刺激に慣れてきてしまい反応が鈍くなることがあります。
筋力の成長の原則の一つに過負荷の原理というものがあるのですが、同じ負荷、ウエイトの重さでトレーニングを続けている場合では筋肉は成長しなくなります。
弱点によるもの
弱点があることによってクライミングのパフォーマンスが制限されてしまい、停滞期が訪れることがあります。
例えば様々なムーブのうちランジが苦手であることによって、ある課題でランジが出てくると登れないということが起こります。
正体ムーブや足の使いかたがうまく、保持力などは十分にあるものの、ある1箇所のムーブができないことによって完登できないといった結果になり、これが原因で停滞期、成長ができない場合があります。
停滞期の打破の方法
それでは以上で説明してきた原因に対して、停滞期を打破するための対策を紹介します。
休みをとる
トレーニングにとって重要な要素は運動、栄養、休養です。そのなかでも運動と栄養については多くの情報があり、意識的に運動を効率化させたり、栄養補給を最適化したりしているのではないでしょうか。
それに対して睡眠や休息などをとることについては疎かになりがちです。
仕事もしながらトレーニングさらには家庭や趣味もやろうとすると、休養に割く時間がなくなってしまうのも仕方ないかもしれません。
しかし、オーバーワークに陥った場合は思い切って休みを取ることが重要です。トレーニングをしなければという強迫観念によってトレーニングを続けているとさらに泥沼にハマってしまい、回復が遅れるばかりか怪我の原因にもなってしまいます。
そうならないためにも、ある程度の疲労がたまったらしっかり休み、場合によっては数週間の長期間トレーニングをしない休止期を設けましょう。
負荷を変化させる
同じ負荷、重量のトレーニングを続けていると、体がそれに慣れてしまい重量が伸びなくなってしまします。
筋トレによって筋肉が成長するメカニズムは、ストレスに対する応答反応です。
体に普段と異なるストレスを与えることで筋肥大が起こるのですが、同じ負荷を与えていては十分なストレスにならず、成長も起こりません。
この場合は重量を1RM90%の大きさ(高重量)にするか、逆に1RMの60%程度まで下げてレップ数を増やす(低重量)といった変化をつけてみることをおすすめします。
このような変化を与えることで筋肉へのストレスを異なる形で与えることができ、筋肉の成長につながります。
種目を変える
ある種目をずっと続けていると同じ筋肉しか使わず、体はそれに慣れてしまい成長が止まってしまうことがあります。
これも負荷を変化させることに似ていますが、種目を変えてみることをおすすめします。同じ上腕二頭筋の種目でも、ダンベルのアームカールを行っていたものを、プリーチャーカールにしてみるとか、背中の種目をチンニングからラットプルに変えるといった方法です。
同じ筋肉を狙った種目だとしても、ウエイトや姿勢を安定させるための補助的な筋肉が異なります。これをスタビライザーとも呼びますが、これを変化させることで、メインの筋肉への刺激も新しいものになります。
記録をつける
これまで紹介してきた対策を実行するために、トレーニングの記録をつけることをおすすめします。日々成長しているのか、どの種目を何回実施しているのか、体重や体脂肪率はどう変化しているのかを可視化することで、変化させることができます。
記録をとることによって、負荷を変化させたり、種目を変化させるときにも意識して変化させることができます。
弱点を見つけて改善する
停滞期が訪れる場合、桶の理論にあるように、最も弱い部分によってパフォーマンスが制限されてしますことが考えられます。
例えばクライミングで体をひきあげる際に、背中の力は十分あるのに腕の力が足りないことによって落下してしまうといったことが起こることがあります。
そういった場合は弱点を集中的に補うトレーニングを実施してやるといいでしょう。
こうすることでクライミング全体のパフォーマンスを上げることができます。
以上クライミングの停滞期と対策法を紹介してきました。停滞期が訪れる原因を理解することで、対処法も明確になります。
停滞期の打破のために今回の記事が参考になれば幸いです。
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