今回は沖縄県にある具志頭ボルダーを紹介します。
所在地
沖縄県の南部に位置する、島尻郡具志頭村の海岸にボルダーが点在しています。
太平洋を望む遠浅の海岸で、磯釣りや漁をする人がいることもあります。
ちなみに具志頭は「ぐしかみ」と読みますが、地元言葉で「ぐしちゃん」とも読みます。沖縄っぽくていいですね。
アクセス
バス
那覇市付近から具志頭に行く方法としてバスがあります。
那覇バスターミナルから50番のバスに乗り、具志頭か具志頭売店前バス停で下車し、海岸に向かって歩きます。
自動車
具志頭ボルダーの入り口までは車で行くことができ、駐車場があります。全体で20台ほど停められるので場所に困ることはないでしょう。
基本情報
環境
具志頭ボルダーの特徴として砂浜に岩が転がっているので、ランディングが非常にいいことが挙げられます。マット1枚でもまったく問題ないくらい着地が安心できますし、高さのあるボルダーでも比較的トライしやすいです。
もちろん油断は禁物で、砂の下に岩盤が隠れている場合もありますので、くれぐれも慎重に登ってください。
岩質
岩質は琉球石灰岩という沖縄特有のもので、大昔の珊瑚が岩に変化したものです。珊瑚の形状が残されていて、「がびがび」という言葉がぴったりです。テーピングをまかないで登ればすぐに指皮に穴があいてしまいます。
石灰岩という岩質と、海岸のボルダーということで、波や雨風で浸食されやすいです。岩の下部が削られた岩が多く、キノコのような形状をしています。このおかげで、強傾斜の課題も多いことがこのエリアの特徴ともいえます。
戦跡
この海岸は先の大戦で多くの血が流れた場所でもあります。ごみを捨てたりチョーク跡をブラッシングしないなどはもってのほかです。地元の方への敬意を持った行動を心がけてください。
主な課題
チョックストーンアタック
具志頭ボルダーの代表的な課題と言えば「チョックストーンアタック」(初段)です。岩に挟まれた、今にも落ちそうなボルダーの底面の端から端まで渡り、マントルを返す課題です。ルーフでの体の動かし方や持久力が試されます。ぜひ登っておきたい一本です。
ゴーヤ茶
ゴーヤ岩のカンテを直上する課題が「ゴーヤ茶」(三級)です。低いですがホールドが悪く楽しい課題です。
パインライス
パイン岩のどっかぶりを上がっていく「パインライス」(一級)は、体幹が試される課題です。
それゆけ多和田
多和田岩の「それゆけ多和田」(四~五級)は高さのあるカンテをぐいぐい登る面白い課題です。
この他にも具志頭最難の「ストレート・ノー・チェイサー」(二段)や「ブタチフス」(初段)、「アラウンド・ザ・コーナーⅡ」(初段)など、おすすめの課題が多くあります。
観光
沖縄の観光地と言えば首里城や美ら海水族館、国際通りなどが挙げられますが、比較的具志頭に近い場所を紹介します。
斎場御嶽
斎場御嶽は「せーふぁーうたき」と読み、古代からの祈りの場所です。
琉球の起源に関わる聖域で、祭壇の先には久高島を見ることができます。琉球神話によると琉球で最初に作られた島が久高島です。
具志頭からは少し離れていますが、岩に囲まれた静謐な場所で心を落ち着かせるのも、クライマーにとってはいいのではないでしょうか。
おきなわわーるど
文化王国玉泉洞、通称「おきなわわーるど」は、クライミングエリアから3kmほどの場所にある自然を題材にしたテーマパークです。
なんといっても鍾乳洞のスケールは圧巻です。国内最大級の大きさをほこり、多くの観光客が訪れます。クライマーなら登りたくなること間違いないでしょう。(登ってはいけません。)
以上具志頭ボルダーの紹介でした。ここにしかない独特の岩質と、バカンス気分を味わいながらのクライミングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考元
- 「日本ボルダリングエリア 下」山と渓谷社
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