今回は京都府にある笠置ボルダーを紹介していきます。
所在地
京都府と奈良県の県境に近い、京都府相楽郡の笠置町に岩場があります。笠置町を木津川の河川敷にボルダーが点在しています。
アクセス
電車
電車で行く場合はJR関西本線の笠置駅を利用します。駅から商店街を通り抜けて歩けば、10分程で河原のボルダーに到着します。
自動車
自動車で行く場合は、キャンプ場の駐車場が利用可能です。キャンプ場からは上記と同じ道をたどればボルダーに行くことができます。
基本情報
開拓
日本のクライミングエリアとしては昔から存在していて、京都や奈良のクライマーによって開拓されました。1980年代にはすでに登られており、ボルダリングのエリアとしては古いといえます。
環境
岩質は花崗岩で結晶も大きく指皮が結構削られます。石切り場であったこともあり、穴をあけた跡が残っている岩もあり、その形状を利用した課題もあります。
木津川の河川敷にあるので磨かれている課題も多いです。増水時は登れなくなる場合もあるので、登りにいく場合は注意してください。
主な課題
フィネス
駅から歩いてくると一番最初に見える課題が「フィネス」(四級)です。80度くらいの寝た壁と、カンテをうまく使いながら体幹で登る課題です。
南裏の大ランジ
フィネスから見える大きな岩にある課題が「南裏の大ランジ」(一級)です。その名の通り前傾壁をダイナミックにランジする気持ちいいラインです。下地は岩盤ですのでランディングには十分注意してください。
のっぺりカンテ
やりの穂先のような形状が特徴的な岩のカンテ課題が「のっぺりカンテ」(三級)です。足のフリクションを生かしたレイバックで、体がフラれないように体幹で登っていきます。
少しでも気を緩めると花崗岩のフリクションがシューズを弾いてしまい、非常に繊細なクライミングが要求されます。
あまご
川の近くにあるマントリングロックのザ・マントル課題が「あまご」(二段)です。腕全体のフリクションで這いずりあがるパワーも必要なマントルです。
トンネルホール
笠置には珍しい立体的な課題が「トンネルホール」(一級)です。スローピーなホールドを保持しながら、マントルへと移っていく過程がテクニカルで面白い一本です。トポで六級となっているのは間違いでしょか。
すぐる君
トンネルホールのある場所から上流へ向かったところに、150度ほどの強傾斜のボルダーがあります。その下部からスタートする課題が「すぐる君」(三段)です。厳しいスタートから悪いカチをつかってリップへ抜けていくラインです。
すぐる君の途中のフラットなカチからスタートする課題は「ウナギ」(初段)です。
魔界マントル
「魔界マントル」(二級)はリップから奥にあるガバへランジする実質一手の課題です。リップをとめた時の快感はなんとも言えません。
シオマネキ
高さのあるジーザスクライストロックの下部からスタートする課題が「シオマネキ」(三段)です。150度ほどの強傾斜にある悪いカチからリップへダイナミックにムーブを起こし、マントルをする厳しいラインです。
シオマネキの上部だけを登る課題が「へっつき虫」(一級)で、上部だけでも面白くいい課題です。
親指君
笠置の看板課題なのが「親指君」(初段)です。かの有名な草野俊達氏初登のこのラインは、課題名が表す通り親指を使った独特なムーブでとても初段とは思えない難しさとおもしろさを味わえます。笠置に来た際には是非触っておきたい一本です。
豆餅
親指君のすぐ左側に人工的な穴を上から開けた跡が見えます。発破の名残のホールドを使ったラインが「豆餅」(三段)です。とにかくピンチ力が試される課題です。
大スラブ岩
エリアの最上流にはボルダーというには大きすぎる、岩壁の一部である大スラブ岩があります。ここには「右マントル」(四級)や「左スラブ」(三級)といったハイボールがありメンタルが試されます。スラブに自信がある場合のみ取り付くことをおすすめします。
以上京都にある笠置ボルダーの紹介でした。古くから登られているエリアで、易しい課題から五段の「ReBirth」まで幅広いグレードの課題があり、ランディングのいいボルダーから様々なタイプの課題があるのでいろんなクライマーにおすすめです。是非行ってみてはいかがでしょうか。
参考元
- 「日本ボルダリングエリア 下」山と渓谷社
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