概要
今回は山梨県の山中にある野猿谷ボルダリングエリアの紹介です。

所在地
野猿谷ボルダリングエリアは山梨県甲府市黒平町にあり、山中の広範囲にわたって岩が転がっています。

ほとんどの岩は荒川(東京の荒川とは別の川)に沿っていて、渓谷の斜面は急なため川に密集するような形になっています。
トポ
地元のクライマーによる公式のトポがあります。
アクセス
野猿谷ボルダリングエリアは山奥にあるため、通常は自動車でのアクセスになります。

野猿谷で登る際にはマウントピア黒平で協力金300円を支払ってから利用するようにしましょう。トイレや駐車場の整備などにも費用がかかることを理解し、気持ちよくエリアを利用したいものです。

マウントピア黒平はコテージやバーベキューエリアもありますので、泊まりの際は積極的な使用をおすすめします。
自動車
高速道路を使っていく場合は中央道の甲府昭和ICや双葉スマートICから降りて、北進して昇仙峡方面を目指します。荒川ダムを要する能泉湖を通り過ぎ山中を進んでいくとマウントピア黒平があります。
基本情報
開拓
野猿谷ボルダリングエリアは2000年代に中根穂高氏がまとまって開拓を行なったあと、地元のクライマーによって登られるようになったそうです。

その後は野猿谷クライミングクラブ(YCC)が結成され、地元有志によってエリア公開の準備がされ、トポの発行などが行われています。
詳しくはこちらの記事が参考になりますので、登りに行く前に一読するのをおすすめします。

環境
周辺環境としては黒平地区に住んでいる人は少なく、民家は近くには見られません。キャンプサイトであるマウントピア黒平からも岩場は離れており、川の音が聞こえる静かな雰囲気のなかで登ことができます。
岩質は花崗岩ですが川沿いということもあって磨かれたものが多い印象です。特に足下はつるつるなものも多くフリクションクライミングが楽しめるでしょう。

斜面の方にある岩は結晶が残っているものもあります。ダイクなど大きな結晶はあまり見られずフラットなホールドを使う感じです。
観光地
エリア周辺といえばやはりマウントピア黒平があります。クライミングをする場合には協力金の支払いや名簿への記入のために訪れることになります。
コテージや休憩室、バーベキュー場、テントサイトなどがあり、泊まりで行く場合は重宝するのではないでしょうか。

管理棟にはレストランや売店もあり、地元のお土産を買っていくのもいいでしょう。
アプローチ
メインのエリアを利用する場合は、東橋近くの駐車場が最も便利です。
ここは車が数台停められるようになっているので、つめて譲り合って駐車するようにしましょう。アプローチもほぼゼロなので非常に便利な駐車場です。

トポで言うところのエリア3と4は駐車場から坂を下って橋をわたったすぐのところからアプローチできます。
エリア5から9は駐車場からは道路の反対側に降り口があります。

付近は平坦なアプローチですが、少し川の上流に向かっていくと簡単なクライミングや岩の飛び移りもあるので、マットを背負っての移動だと大変だと感じます。

主な課題
野猿谷ボルダリングエリアはエリア1から10まであります。今回は駐車場に近いエリア5と、川を上ったところのエリア8の課題を紹介します。
エリア5
ベルベットモンキー(2級)
車道から下降路を通るとすぐにボルダーが見えます。大きいがあまいホールドから直上する課題です。

同じ岩の反対側には「百日紅」(三段)や「ストーンモンキー」(四段)など高難度課題もあります。
となりの6番の岩には「モンキーガール」(三段)、「モンキーボーイ」(初段)、「モンキーターン」(四段)といった強傾斜を要する課題から、「逃げちゃだめだ!」(6級)、「穏やかな日」(7級)などアップに良いスラブ課題もあります。
冬の猿(3級)

存在感のある前傾壁のカンテを登る課題です。高さもあるので緊張感もあり、体幹を使います。
さる豆(1級)

今にも倒れそうな形で縦長に立っている岩のカンテ課題です。とらえどころがなくパワフルです。
さるぼぼ(3級)

前傾面からリップを越えていくところが楽しい課題です。
モンキーロケット(3級)

一気にリップをとりにいく課題です。

下地は悪いですが「空谷」(初段)や「ウォーターフィッシュ」(2級)といった課題もあります。
エリア8
月面歩行(5級)

高さのある垂壁の中央を直上する課題です。ホールドのかかりはいいですが、バランスを崩さないように慎重に登りたいです。
左側にはダイクを登る「ムーンバレー」(1級)、右側には「月面地図」(3級)もあります。下地はフラットなので高さの割には登りやすいと思います。
ミネラル(4級)

下地が良くないものの、アップにいい岩。左上すると「ミネラル」(4級)、右上すると「セラミド」(7級)です。
ムーンライトドライブ(2級)

こちらの写真の左面を左上する課題です。反対面には「ソウルチャージ」(5級)があります。
重力波(二段)

とらえどころのないホールドで無理やり体をリップ上に返す課題です。
同じスタートから左上してカンテを回り込む「タイムリミット」(1級)もあります。
遠い日の炭焼き(2級)

このエリアでは珍しく傾斜のあるダイナミックな課題です。
新世界ザル(二段)

すべりやすい斜面を上がっていったところにある巨大な岩にもいくつか課題があります。
真ん中の挟まっている岩のカンテを登るのが「新世界ザル」(二段)です。
左の岩の垂直面には「旧世界ザル」(二段)、右の岩には「チェルシー」(3級)や「ライディーン」(3級)があります。
おすすめ飲食
マウントピア黒平

野猿谷ボルダリングエリアを利用する場合にはここで名簿の記入と協力金を支払いますが、施設内にはレストランもあります。
藤原庵
エリア上部にある駐車場近くには藤原庵という料理屋さんがあります。地元名物のほうとう鍋や山菜などいただくことができます。

以上山梨県にある野猿谷ボルダリングエリアの紹介でした。課題数も豊富にあり、地元クライマーと住民とのつながりによって支えられている素晴らしいエリアなので行ってみてはいかがでしょうか。
参考元
- 「野猿谷ボルダリングエリアガイド」株式会社ダイホールド
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